上海通信Shanghai Report

行動規制解除後はじめての春節@上海

2024年02月14日

こんにちは、Beauty Works Shanghaiの清水です。

中国は、いま春節連休真っ只中です。今年は例年より1日長く2/10~17の8連休となっています。2019年末に中国武漢でコロナが発生してから昨年までの4年間、ゼロコロナ政策の下に厳しい行動規制が続いたため、今年は行動規制が解除されてはじめての春節です。

春節は中国人にとっては、一年に一度の一大行事で、家族親族と過ごすため、大都市に働きに来ている労働者も故郷に戻ります。上海のような国際都市でさえも、地元の上海人、外省人、そして外国人、つまり全ての人がだいたい春節の2週間ぐらい前からそわそわしはじめ、連休をはさんで前後1ヶ月ほどは実質お休みとなります。さらにいえば、やる気のなさというか、モチベーションの低下というか、エンジン停止というか、そういう心理状況を含めて2ヵ月くらいはだらだらと時間が流れるのです。つまり、中国では、春節の日程が毎年変化するとしても、1月と2月はビジネスは動かず、ゆえに昔から「中国ビジネスは10カ月勝負」と言われる所以なのです。ちなみに、渡航規制が完全撤廃された今年は久しぶりに、上海に留まる日本人は少なく、多くが一時帰国あるいは海外旅行に出かけています。

上海の春節の風景が、ビフォアコロナに戻った様子を取材しようと、春節当日(初一)に南京西路⇒人民広場⇒南京東路⇒外灘⇒豫園と歩いてみます。住宅エリアでは、人も車も少なく、営業しているお店もまばらで、閑散としていますが、繁華街に来ると、普段の週末の2~3倍の人がいます。上海人というよりは地方からの観光客が多いようでして、お土産物屋さんに殺到していたり、記念写真を撮影したりしつつ、意味不明な方言があちこちで飛び交っています(笑)。そんな従来の春節に戻ったかのような風景を横目に、外灘までは、どうにか人混みをかき分けて前進しますが、豫園に近づくと、更に人が増えて、とても本丸に近づけるような状況ではなくなり、群衆に巻き込まれないようにそそくさと退散します。

メディアの報道によれば、春節期間、延べ90億人が移動するとか。おい、まじかよ、世界人口超えています(笑)。ただ、誤解というか、騙されてはいけないのは、90億人というのは、昨年までの公共交通で移動する18億人に、自動車移動をする72億人を今年から加えたという数字でして、昨年の公共交通移動21億人と比較すると▲14%となるわけです。また、算出期間も春節連休8日ではなく”春運”といわれる公共交通の特別ダイヤ期間1/26~3/5の40日間なのです。
巷の情報によれば、今年は経済停滞の影響もあって、国内旅行が主流で、北京、上海、そして氷祭りが開催されている哈尔滨あたりが人気のようです。当然、駅、道路、空港は大混雑、人混みがあまり得意でない私は、想像しただけで目がくらくらします。はい。

最後にですが、ワタシの香港人朋友が言うには、今年は200年に一度の悪い年らしい。もともと中国では辰年はあんまりいい年と思われてないけど、さらに、今年の立春2/4が春節2/10の前に来て、来年は春節1/29で立春2/4より前になるため、2024年は”春がない辰年”となり、200年くらいに一度しかないらしい(裏を取ったわけではない)。ゆえに、今年はひたすら耐える1年で、一方で世界でも、政治経済社会各方面で、いろんなことが起こるとか((*_*)。それでも、「変化の中にチャンスあり」、「逆境こそチャンス」、「人間万事塞翁が馬」などとポジティブにとらえ、ピンチをチャンスに変えていこうと考えています。

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文責
碧优缇商务咨询(上海)有限公司
COO 清水誉
慶應義塾大学法学部法律学科卒業、関西学院大学大学院経済学研究科前期博士課程
修了、経済学修士。専門は、東アジア経済、中国労働経済。
1988年株式会社ブリヂストン入社、1993年広州事務所代表、1995年北京事務所代表、
1999年株式会社博報堂入社、2005年広東省広博報堂広告有限公司総経理などを歴任
し現職。中国ビジネス30年のスペシャリスト。
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