上海通信Shanghai Report
舞剧(ダンスドラマ)~”永不消逝的电波”
こんにちは、Beauty Works Shanghaiの清水です。
中国では、労働節5連休が終わりまして、日常が戻った感じです。陽気は初夏です。
中国の現代舞台演劇に、”舞剧”(wu3 ju4)、日本語訳「ダンスドラマ」というジャンルがあります。ちょっと表現しにくいのですが、あえていいますと、歌わないミュージカルのような作品で、中国の伝統的な文化に現代舞台アートをアレンジした比較的新しい舞台演劇だとのこと。
日本では、コロナ禍前の2015年に全国30会場、約12万人を動員した上海歌舞団による舞劇「朱鷺」(トキ)が有名でして、その後2017年には、日中国交正常化45周年と日中平和友好条約締結40周年を迎え、その記念公演として日中友好のシンボルとなるべく再上演されています。同作品は、中国でもトップレベルを誇る「上海歌舞団」のオリジナル作品で、日本にとってもゆかりの深い鳥トキと、人間の青年との儚い愛の物語を舞踊で描いたものです。
先日、ワタシが鑑賞させて頂いた作品は、同じく上海歌劇団による「永不消逝的电波」という作品です。「朱鷺」の総責任者(プロデューサー)だった陈飞华氏から、一度見てみてくださいと、招待を受けたものです。
タイトルが”〇〇〇電波”というから、ラジオの話かと思っていたところ、上海を舞台とする国共内戦時のスパイの話で、最後は中国共産党が上海を解放して、めでたしめでたしといった内容と理解しました。基本的に言葉がないので、別に中国語がわからなくてもなんとなくなんのことかはわかったりしますが、テーマ(つまり今回は中国近代史)そのものにあんまり興味がないと、特に外国人(含む日本人)にはきついかもしれません。
会場は1000人ほど収容できる上海国际舞蹈中心で、週末ということもあってか席は2/3以上は埋まっていました。お客様は、7~8割は女性、年配の方が中心かと思いきや、意外と若い方も多くいます。チケット料金は、座席によって80~880元と幅広いです。
日中間だけではありませんが、コロナ禍では、このような芸術作品とか、音楽(コンサート)とか、海外との文化交流も思うようにできませんでした。世界的にコロナ化が収束したいまこそ、このような草の根的な国家間交流も復活してほしいと願います。
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文責
碧优缇商务咨询(上海)有限公司
COO 清水誉
慶應義塾大学法学部法律学科卒業、関西学院大学大学院経済学研究科前期博士課程
修了、経済学修士。専門は、東アジア経済、中国労働経済。
1988年株式会社ブリヂストン入社、1993年広州事務所代表、1995年北京事務所代表、
1999年株式会社博報堂入社、2005年広東省広博報堂広告有限公司総経理などを歴任
し現職。中国ビジネス30年のスペシャリスト。
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