上海通信Shanghai Report
开平碉楼与村落~世界文化遺産
こんにちは、Beauty Works Shanghaiの清水です。
今回は、広東省開平市からのレポートです。
広東省の南西部に位置し、省都広州から150kmほどの開平市は、市街地以外、ほぼ一面の田園地帯。お隣の台山市も含めて、このあたりはその昔とても貧しい田舎町で、貧しさゆえに多くの人がこの地から海外へ出稼ぎに旅立ったという場所、つまり華僑を多く輩出した街です。
また、一方で、19世紀に中国北部からの移民である客家と現地の住民との間に抗争が勃発したことで、その争いから避けるために、多くの労働者が華僑として19世紀後半から20世紀初頭にかけて、アメリカ、イギリスのほか南アジア各国に渡ったとも伝えられています。
望楼そのものは、水害や盗賊などから逃れるための避難所として、明の時代から存在していましたが、海外に渡った華僑が故郷に住む家族のための資金援助によって、4〜5階建ての派手な装飾を加えた多層建造物がこの地域に建造されるようになったのです。これが、开平碉楼与村落です。
建造物としては、華僑が西洋から持ち帰った建築文化と従来の中国の建築文化が見事な融合を見せているもので、田舎の田園地帯に点在する光景は見たことのないような独特な雰囲気でとても神秘的です。
現存の高層楼閣は1833棟あり、世界文化遺産としては、2007年に登録されてていて、立园、自力村、马降龙という3つの景区で構成されています。
開平には、飛行場はなく、ちょっと不便ですが、広州や珠海から高铁(新幹線)で1時間ほど、あるいは車で高速道路を走って2時間ほど(渋滞ない場合)、または香港からバスやフェリーでも行けるようです。
日本人にはまだあまり有名ではない地味な世界遺産ですが、興味がありましたら、ぜひ一度チャレンジしてみてください。
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文責
碧优缇商务咨询(上海)有限公司
COO 清水誉
慶應義塾大学法学部法律学科卒業、関西学院大学大学院経済学研究科前期博士課程
修了、経済学修士。専門は、東アジア経済、中国労働経済。
1988年株式会社ブリヂストン入社、1993年広州事務所代表、1995年北京事務所代表、
1999年株式会社博報堂入社、2005年広東省広博報堂広告有限公司総経理などを歴任
し現職。中国ビジネス30年のスペシャリスト。
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