上海通信Shanghai Report

中国を正しく生き抜くための中国語講座~第73回「保险柜」

2023年12月09日


GraphicDesign:Liya

こんにちは。Beauty Works Shanghaiの清水です。

今週のサバイバルチャイニーズは、保险柜(bao3 xian3 gui4)、日本語的発音”ばおしえんぐい”で、意味は金庫です。

”保险”は保険の意味、”柜”は戸棚とかキャビネットの意味なんで、ま、なるほどね、という単語です。

なにごとも現金決済が主流だった時代は、中国でも金庫が重要な役割を担っていました。中国のお札は、偽札対策のため(?)、いまだに100元札(2000円程度)が最大です。なので、すべてが現金決済だった時代は、札束を持ち運んだり、単位(企業)も社内にある程度の現金をストックしておこうとすると、結構なボリュームの札束になるので、割と大きめの金庫を持っていました。

ワタシも、当時、自宅に大きめの金庫を購入して銀行から出金してきた現金を保管していました。金額にしたらそこまで多額の現金ではありませんが、なにしろ量が多いのです。ATMがまだない時代は、出金の際には銀行の窓口に並ばなくてはならず、まだきれいに列を作って並ぶことを知らない中国人民と戦いながら、出金に半日ほどを費やすため、月に一度だけ1ヶ月分の事業資金と自分の生活費を決死の覚悟で出金するのです。そして、現金を詰め込んだ鞄を抱きかかえ、タクシーで帰宅して、家の金庫に放り込むといった、さながら銀行強盗でもしているような感じです(笑)。

翻って、現代は、至る所にATMもあるし、デジタル決済の時代となりまして、大量の札束を持ち歩いたり、金庫に保管したりしなくてもよくなり、ほんとうに便利かつ安全になりました。オフィスはともかく、自宅に大きな金庫なんておいて、中にそれなりの大金を保管している人は、悪いことをしている人以外は、恐らくもういないんじゃないかと思います(笑)。

***************************************
文責
碧优缇商务咨询(上海)有限公司
COO 清水誉
慶應義塾大学法学部法律学科卒業、関西学院大学大学院経済学研究科前期博士課程
修了、経済学修士。専門は、東アジア経済、中国労働経済。
1988年株式会社ブリヂストン入社、1993年広州事務所代表、1995年北京事務所代表、
1999年株式会社博報堂入社、2005年広東省広博報堂広告有限公司総経理などを歴任
し現職。中国ビジネス30年のスペシャリスト。
***************************************