上海通信Shanghai Report
中国を正しく生き抜くための中国語講座~第64回「优衣库」
GraphicDesign:Liya
こんにちは。Beauty Works Shanghaiの清水です。
今週のサバイバルチャイニーズは、优衣库(you1 yi1 ku4)、日本語的発音”よういーくぅ”で、アパレルブランドのユニクロです。
海外ブランドが中国市場に参入する場合、いろいろと法的ルールはあるんですが、英語をそのまま前面に押し出してコミュニケーションする場合もあれば、中国語ネームを開発してコミュニケーションする場合もあります。実はこのネーミングが結構重要で、ネーミング開発をミスったために、マーケティングが上手くいかないケースも多々あります。例えば、失敗例で散見されるのが、日常生活であまり使用しないような難しい漢字を使いすぎたり、音を正確に表現しようとしすぎて4文字以上の長いネーミングになり覚えにくい、中文名がブランドの本質を全く表現できていない、などなどです。また、仮にすべっても途中で修正することが難しいという意味でも、最初のネーミング開発は責任重大なのです。
以前もこのコーナーでお話しましたが、ネーミング開発する際に、3つのパターンがあります。①音を合わせるケース②意味を合わせるケース③その両方、です。当然ですが③がとても難易度が高いわけです。
さて、このユニクロの中文名ですが、ワタシは素晴らしいネーミングだと思っています。なぜかといえば、3つの単語はすべて比較的簡単な漢字で、かつ日常生活での使用頻度も高いこと、ユニクロという音をわりと正確に捉えていること、そして、意味が伴っていることです。「优」は”優”なので、つまり優れていることを意味し、「衣」は衣服のこと、そして「库」は”庫”なので、倉庫とかストックを連想します。だから、「私たちは優れた衣料商品を在庫してますよ」というブランドメッセージにもなっているのです。
我々beauty worksも、ブランド名や企業名の中文ネーミング開発の依頼を受けることがありますが、上述のような作業のほかにも、商標権調査もありますし、また、同じ発音が別の(あんまりよろしくない)意味に捉えられたりすることはないか?など、とても神経を使うお仕事なのです。一方で、中文ネーミングが成功すれば、マーケティングやブランディングはとてもやりやすくなるなど大きなアドバンテージにもなりうるので、それはそれで、非常にやりがいのある仕事でもあります。
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文責
碧优缇商务咨询(上海)有限公司
COO 清水誉
慶應義塾大学法学部法律学科卒業、関西学院大学大学院経済学研究科前期博士課程
修了、経済学修士。専門は、東アジア経済、中国労働経済。
1988年株式会社ブリヂストン入社、1993年広州事務所代表、1995年北京事務所代表、
1999年株式会社博報堂入社、2005年広東省広博報堂広告有限公司総経理などを歴任
し現職。中国ビジネス30年のスペシャリスト。
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