上海通信Shanghai Report
中国を正しく生き抜くための中国語講座~第52回「慢走」
こんにちは。Beauty Works Shanghaiの清水です。
今週のサバイバルチャイニーズは、慢走(man4 zou3)、日本語的発音”まんぞう”で、直訳は「ゆっくり歩く」ですが、別れ際に「お気をつけて」という意味で使います。
遠いところに、飛行機なんかで旅行に行ったりする人に声をかける場合は、「一路平安」(yi1 lu4 ping2 an1)という表現がありますが、やや大げさな感じになりますので、一般に別れ際に軽く使う場合はこの”慢走”を使います。
現代、タクシーを利用する際、街中で苦労してタクシーを捕まえ、行先を説明し、わざと遠回りされていないか警戒しながら乗車し、運転手さんがおしゃべり好きの場合は、社内で世間話にお付き合いし、到着するとお金を支払って、場合によっては発票をもらう、という一連のプロセスが、滴滴なんかの配車サービスの登場によって、デジタル化されて、人と人との会話、触れ合いが減ったように感じます。便利で効率的になったのと引き換えに、大切な国際交流の機会が減ってしまったことにちょっと寂しさも感じます。
といった感じで、直コミュニケーションの機会が少なくなってしまった昨今ですが、ワタシは、タクシーを降りる時、運転手さんになるべく”慢走”と声をかけるようにしていますし、運転手さんから掛けられるときもあります。”慢走”は、殺伐とした現代中国社会においては、心和む暖かい表現なのです。
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文責
碧优缇商务咨询(上海)有限公司
COO 清水誉
慶應義塾大学法学部法律学科卒業、関西学院大学大学院経済学研究科前期博士課程
修了、経済学修士。専門は、東アジア経済、中国労働経済。
1988年株式会社ブリヂストン入社、1993年広州事務所代表、1995年北京事務所代表、
1999年株式会社博報堂入社、2005年広東省広博報堂広告有限公司総経理などを歴任
し現職。中国ビジネス30年のスペシャリスト。
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