上海通信Shanghai Report

中国を正しく生き抜くための中国語講座~第51回「抖音」

2023年07月08日

こんにちは。Beauty Works Shanghaiの清水です。

今週のサバイバルチャイニーズは、抖音(dou3 yin1)、日本語的発音”どういん”で、中国ショートムービープラットフォームの一つで、海外ではTikTokの名称で親しまれています。

ショートムービーSNSで世界を席巻しているTikTokは、中国北京に本社を構えるバイトダンス社(北京字節跳動科技有限公司)が、2016年9月にリリースした「抖音」がその起源で、その海外版が「TikTok」です。TikTokというのは、抖音と機能は類似しているものの建付けとしては完全に別のアプリとなっており、日本やその他の海外各国に展開されています。

ユーザー層は、日本では高校生・大学生などの若者がよく使っている印象がありますが、中国では幅広い年齢層に使われています。例えば、日本では孫の写真が見たい時には、以前はよく「写メ送って」と依頼されていましたが、中国では「Douyin送って」となっています。動画の方が、表情や動きも見られるなど情報量も多くて楽しめ、15~30秒などの動画は5Gも普及し始めている今、アップロードや視聴もスムーズになっているためです。

また、ユーザーの男女比はほぼ均等で、DAUは6億人を突破、主に都市部をメインに広がりを見せています。ショートムービーアプリのライバルとされる「快手」が地方都市や農村地域などでよく使われているのに対し、抖音は北京・上海等の大都市を中心に広がっており、おしゃれなライフスタイルがよく投稿されるようになっています。

中国のTwitter微博や中国のLINEと言われる微信が文字SNSとして広まったのと比較し、動画SNSという領域でものすごい勢いで中国のみならず世界中に広まったのがこの抖音を起源とするTikTokでして、手軽に動画を作り発信できるということで若者受けし、特にZ世代より下の年代では、なくてはならない生活ツールとなっています。

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文責
碧优缇商务咨询(上海)有限公司
COO 清水誉
慶應義塾大学法学部法律学科卒業、関西学院大学大学院経済学研究科前期博士課程
修了、経済学修士。専門は、東アジア経済、中国労働経済。
1988年株式会社ブリヂストン入社、1993年広州事務所代表、1995年北京事務所代表、
1999年株式会社博報堂入社、2005年広東省広博報堂広告有限公司総経理などを歴任
し現職。中国ビジネス30年のスペシャリスト。
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