上海通信Shanghai Report
中国を正しく生き抜くための中国語講座~第50回「携程」
こんにちは。Beauty Works Shanghaiの清水です。
今週のサバイバルチャイニーズは、携程(xie2 cheng2)、日本語的発音”しえちぇん”で、中国最大の旅行予約アプリ、携程旅行网=C-Tripのことです。
C-Tripは1999年、オラクルに勤務するエンジニアであった梁建章を中心に、范敏、季琦、沈南鵬(敬称略)を加えた4名により、設立されました。シティバンクを経てドイツ銀行に勤務していた沈南鵬など、シリコンバレーの動向に敏感なメンバーがスタッフの中核でした。
当初C-Tripは、旅行口コミサイトとしてスタートしたものの、すぐにホテルの代理販売に進出しました。当時中国では一般層のインターネット利用がまだ少なかったため、初期はコールセンター対応の旅行予約が多くの割合を占めていました。旅行の際に旅行会社店舗での煩雑な手続きを強いられていた当時の中国の旅行市場において、空港や鉄道駅・バスターミナル等の交通拠点で、ホテルで利用できる自社カードを配布する活動を行い、認知度を高めました。ホテル予約では、決済方法としてエージェンシーモデル(料金ホテル決済)を採用しましたが、中国工商銀行とのジョイントベンチャーを設立し料金クレジットカード払いのシステムを構築することで、航空券予約にも進出しました。
2000年以降のデジタル社会の到来、そして目覚ましい経済発展により、富裕層のみならず中間層でも海外旅行が当たり前の時代になるといったビジネス環境の波に乗り、このようなサービスは大きな発展を遂げました。いまでは、C-Trip以外にも旅行サイトはたくさんあるのですが、ワタシはこのC-Traipが一番馴染深く、中国人の友達によると、費用的には高いそうですが、なんとなくいつもC-Tripを利用しています。国内線国際線とも、出発地と到着地、それに時期を入力すると、すべてフライトと料金が表示されて自由に選んで、ほぼワンクリックに近い操作で予約ができます。
予約をすると、その場ですぐ決済できて(もちろんキャンセルや変更も一定条件のもとで可能)、その後適時丁寧にさまざまな情報を発信してくれます。保険に加入できたり、座席を指定できたり、機材の情報なんかも知ることができますし、その他出発空港までの足、空港の情報(例えば、チェックインカウンターの番号、ゲート番号、遅延情報とか)、到着地の情報(例えば、到着空港からの交通、ホテルや観光地、レストランとか)などありとあらゆる情報を提供してくれます。ほんとにすごいです。
日本にも、たくさんの旅行サイトがあると思いますが、機会があれば、試しに一度ぜひこのC-Tripを使ってみてください。
***************************************
文責
碧优缇商务咨询(上海)有限公司
COO 清水誉
慶應義塾大学法学部法律学科卒業、関西学院大学大学院経済学研究科前期博士課程
修了、経済学修士。専門は、東アジア経済、中国労働経済。
1988年株式会社ブリヂストン入社、1993年広州事務所代表、1995年北京事務所代表、
1999年株式会社博報堂入社、2005年広東省広博報堂広告有限公司総経理などを歴任
し現職。中国ビジネス30年のスペシャリスト。
***************************************