上海通信Shanghai Report

中国を正しく生き抜くための中国語講座~第26回「签证」

2023年01月14日

こんにちは。Beauty Works Shanghaiの清水です。

今週のサバイバルチャイニーズは、签证(qian1 zheng4)です。日本語表現”ちえんじぇん”で、意味は査証(ビザ)です。

中国のビザにはいくつかの種類がありまして、業務短期商用ビザ(Mビザ)、就労ビザ(Zビザ)、交流訪問視察ビザ(Fビザ)、長期留学ビザ(Xビザ)、家族ビザ(Sビザ)、親族訪問ビザ(Qビザ)、乗務員ビザ(Cビザ)などなどです。大昔は観光ビザ(Lビザ)というものがありましたが、その後日中相互になくなりまして、コロナ禍前は、14日間の短期滞在の場合はノービザでOKでした。

さて、我々のように上海で就労している外国人は、基本的には就労Zビザを取得する必要があり、現在その取得には結構な手間と時間、コストがかかります。しかし、ワタシがはじめて中国に足を踏み入れた30年ほど前は、結構簡単に就労ビザが取れたし、さらに当時、華南エリアを拠点にしていたワタシのような外国人は定期的に返還前の英国領香港に抜けて、Fビザを繰り返し取得するという暴挙まで普通にまかり通っていたわけです。

現在と当時の最大の違いは、中国はいま外国人の就労を基本的には歓迎していないという点です。改革開放時代の中国はまだ貧しかったし、なによりもロクヨンで受けていた経済制裁の影響で経済も凹んでいたことから、外貨を運んできてくれる外国人は基本的ウェルカムだったわけです。

しかしながら時は移り変わり、中国も経済大国となり、生活は豊かになり、そして人材の能力も大きく進化しまして、本来中国人でいいはずのポジションに外国人を据えることは中国人の就労機会を奪っているものと判断、そのポジションとか、その能力であれば、中国人で充分だよねっと、言うわけで、相当に正当性のある理屈をつけないと招聘状をだしてくれないのです(あくまで建前として)。
このように、ビザ発給スタンスからも現代中国の変貌が垣間見れるのです。

数日前に、日本の水際対策が差別的だとして中国政府は対抗措置を発表、現在、基本的に上記すべての種類のビザ受付が停止となっています。折角、入境隔離が撤廃されて、ビフォアコロナをみんなが期待していたのですが、事態は思わぬ方向へと進んでいます。一日も早く、日中間の往来がコロナ禍以前の状態に戻ることを日々祈るのです。

更新签证需要多长时间?(geng1 xin1 qian1 zheng4 xu1 yao4 duo1 zhang3 shi2 jian1)=ビザの更新にはどのくらい時間がかかりますか?

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文責
碧优缇商务咨询(上海)有限公司
COO 清水誉
慶應義塾大学法学部法律学科卒業、関西学院大学大学院経済学研究科前期博士課程
修了、経済学修士。専門は、東アジア経済、中国労働経済。
1988年株式会社ブリヂストン入社、1993年広州事務所代表、1995年北京事務所代表、
1999年株式会社博報堂入社、2005年広東省広博報堂広告有限公司総経理などを歴任
し現職。中国ビジネス30年のスペシャリスト。
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