上海通信Shanghai Report
中国を正しく生き抜くための中国語講座~第20回「恐婚族」
今週のサバイバルチャイニーズは、恐婚族(kong3 hun1 zu2)です。2022年流行語シリーズ続きます。
日本語表現”こんふんずう”で、結婚するのを恐れる若者たちという意味です。中国、特に都市部での、この現象は日本とも似ていますが、結婚に対して、ある種の恐怖心を抱く若者たちが増えています。男女ともに一人っ子ですし、結婚して得るものと失うものを比較すると、何となく結婚を足踏みしてしまうというものです。
中国では、10年に一度、西暦で末尾が「0」の年に、全国的な国勢調査を行っていますが、2020年の最新調査で、2つの興味深い統計が出ました。1つは「平均初婚年齢」で、2010年に24.89歳だったのが、2020年は28.67歳と、4歳近くも上がったというもの。もう一つは「初婚人数」で、2200万9000人から1288万6000人へと、10年で4割以上も減ったというものです。
中国も、経済発展とともに生活が豊かになったことで、ステレオタイプな人生だけではなく、生き方の選択肢が増えているということでしょう。
また、仮に結婚したとしても、教育費などの子育てコストが高騰していることももあって、2人以上の子供を持つ、持てる家庭は、非常に限られます。
国連も2023年のうちに、インドの人口が中国の人口を追い抜くと予測しています。
今後も、中国の恐婚族は、ますます増えていくのではないでしょうか?
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文責
碧优缇商务咨询(上海)有限公司
COO 清水誉
慶應義塾大学法学部法律学科卒業、関西学院大学大学院経済学研究科前期博士課程
修了、経済学修士。専門は、東アジア経済、中国労働経済。
1988年株式会社ブリヂストン入社、1993年広州事務所代表、1995年北京事務所代表、
1999年株式会社博報堂入社、2005年広東省広博報堂広告有限公司総経理などを歴任
し現職。中国ビジネス30年のスペシャリスト。
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