上海通信Shanghai Report

中国を正しく生き抜くための中国語講座~第17回「九九六」

2022年11月05日

こんにちは。Beauty Works Shanghaiの清水です。

今週のサバイバルチャイニーズは、九九六(jiu3 jiu3 liu4)です。
日本語表現”じゅーじゅーりゅう”です。
意味は、「996勤務制(朝9時に始業、夜9時に退勤、週6日勤務のこと)」で、中国高度成長期のモーレツ社員、過酷労働状況を揶揄する言葉です。

工事現場の作業員とか、トラックやタクシーの運転手とか、デリバリー配達員のような肉体労働者というかブルーカラーの人たちだけではなくて、むしろ勢いのいいIT企業の社員、つまりそれなりの教育を受けて、華やかな世界で働いているはずのホワイトカラーのひとたちにこそ、むしろ使われている言葉です。

いまでは、九九六どころか、半分冗談で零零七(ling2 ling2 qi1)、つまり0時から24時まで週7日働く、という言葉まで出現しているのが、いまの中国なのです。
競争を勝ち抜いて上り詰めるのはごくわずか、ほとんどが途中で、力尽きて土俵から降りていくといった極限の競争社会を表現することばです。
賛否両論あるとは思いますが、このような厳しい競争社会の現状を日々目の当たりにすると、アジアの中でさえも、日本の国力が落ちていっていること、無理に柔らかい表現を使うなら”成熟した社会”に向かっていることがよくわかります。

使用例:九九六太辛苦了,感觉真没必要拿命换钱(jiu3 jiu3 liu4 tai4 xin1 ku3 le, gan3 jue2 zhen1 mei2 bi4 yao4 na2 ming4 huan4 qian2)=996は本当に大変、命を懸けて稼ぐ必要なんてないって思う。

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文責
碧优缇商务咨询(上海)有限公司
COO 清水誉
慶応義塾大学法学部法律学科卒業、関西学院大学大学院経済学研究科前期博士
課程修了、経済学修士。専門は、東アジア経済、中国労働経済。
1988年株式会社ブリヂストン入社、1993年広州事務所代表、1995年北京事務所代表、
1999年株式会社博報堂入社、2005年広東省広博報堂広告有限公司総経理などを歴任
し現職。中国ビジネス30年のスペシャリスト。
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