上海通信Shanghai Report
中国を正しく生き抜くための中国語講座~第102回「一路平安」
イラスト:Liya
こんにちは。Beauty Works Shanghaiの清水です。
今週のサバイバルチャイニーズは、一路平安(yi1 lu4 ping2 an1)、日本語的発音”いーるーぴんあん”で、意味は、「道中気を付けてね」という意味です。
電車や飛行機で、相手が旅行なんかにいく、別れ際に掛ける言葉です。ただ、最近は、以前ほど普段あまり使わなくなったように感じていて、年配の人なんかが格式張って使う古い臭い表現のなのかなと思ったりします。言葉というものは時代とともに変化するものだし、古臭い単語や表現は消えていき、若者言葉やデジタル用語など、新しい言葉がどんどん生まれてくるのは万国共通です。
”一路平安”というのも、中国人があまり移動しなかった時代、つまり国内はおろか海外旅行なんか限られた特権階級のひとしかしなかった時代に使われた表現だと思います。飛行機や電車に乗って、省を跨いで、あるいは国外に行くときに、なんか一生の別れのようなニュアンスでかけるような言葉っていう感じなのでしょうか。
グローバル化が進み、通信手段や輸送手段が近代化し、人・物・金が瞬時に世界中を飛び回る時代、特に日中間の往来は、中国の沿海部であれば国内旅行感覚です。なので、いちいち”一路平安”などという大げさに聞こえる表現はもはや必要ないのかなと思いますが、この言葉を聞くと、まだまだ中国が近くて遠い国だった時代のことを思い出し、ノスタルジーに浸るのはワタシが歳をとった証拠ですね(笑)。
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文責
碧优缇商务咨询(上海)有限公司
COO 清水誉
慶應義塾大学法学部法律学科卒業、関西学院大学大学院経済学研究科前期博士課程
修了、経済学修士。専門は、東アジア経済、中国労働経済。
1988年株式会社ブリヂストン入社、1993年広州事務所代表、1995年北京事務所代表、
1999年株式会社博報堂入社、2005年広東省広博報堂広告有限公司総経理などを歴任
し現職。中国ビジネス30年のスペシャリスト。
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