上海通信Shanghai Report
中国を正しく生き抜くための中国語講座~第101回「考公族」
イラスト:Liya
こんにちは。Beauty Works Shanghaiの清水です。
今週のサバイバルチャイニーズは、考公族(kao3 gong1 zu2)、日本語的発音”かおごんずぅ”で、意味は、不況でも安定している公務員になりたい人たち、公務員試験を狙う人たちことです。基本的に大学生を指します。いま、コロナ禍を経て経済が低調な中国では、新卒失業率も高止まりしており、高学歴でもなかなか思うような職業に就くことができない状況です。そこでいま若者に人気なのは、不況でも安定している公務員なのです。一説によると、2024年大学新卒者1,100万人のうち公務員試験を受ける人?公務員希望の人が50%を超えたとか。
改革開放以来、約30年間一貫して高い成長を続けてきた中国では、誰もが一攫千金、チャイニーズドリームを狙ってビジネスを展開しました。簡単に言えば、金儲けに奔走したわけです。しかしながら、市場が成熟し、法制度など市場のルールが整備されてくると、市場はレッドオーシャンとなり、なかなか簡単には金儲けができなくなります。また、学歴社会となり、大卒やそれ以上の学歴を持った高級人材が増えていくと、受け皿としての仕事、就職先が追い付かなくなります。それでも、毎年高い成長率を維持していたころはまだよかったのですが、いったん経済が停滞ぎみになると、失業率は高まるし、給料も頭打ちになります。
社会が豊かになったこともありますが、不安定なチャレンジをするよりも、安定志向になり、優良な大規模国営企業とか公務員を希望する若者が増えているようです。
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文責
碧优缇商务咨询(上海)有限公司
COO 清水誉
慶應義塾大学法学部法律学科卒業、関西学院大学大学院経済学研究科前期博士課程
修了、経済学修士。専門は、東アジア経済、中国労働経済。
1988年株式会社ブリヂストン入社、1993年広州事務所代表、1995年北京事務所代表、
1999年株式会社博報堂入社、2005年広東省広博報堂広告有限公司総経理などを歴任
し現職。中国ビジネス30年のスペシャリスト。
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