上海通信Shanghai Report
中国を正しく生き抜くための中国語講座~第100回「数字游民」
イラスト:Liya
こんにちは。Beauty Works Shanghaiの清水です。
今週のサバイバルチャイニーズは、数字游民(shu4 zi4 you2 min2)、日本語的発音”しゅーずようみん”で、意味は、デジタルノマドです。つまり、IT技術を活用し、場所に縛られず(国内外を問わず)、「ノマド(遊牧民)」のように旅をしながら仕事をする人のことです。アナログ時代にはなかった現代用語です。
中国だけでなく、日本でも、欧米でも、世界中どこでも、通信技術の進化により、いまやリモートワークは日常化していますが、常態化に勢いをつけたのはコロナ禍だったのかなと思います。そういう意味で、コロナ禍というのは負の遺産だけでなく、我々に新しいワークスタイルを定着させてくれたと言う意味で、正の副産物も生み出したのではないかと思います。
エッセンシャルワーカーなどを除く、多くの業界や職業は、いまや世界中どこにいても仕事ができるようになりました。コロナ禍を経験し、企業では、在宅勤務というものが奨励されるようにもなり、出社は週2~3回、もはやなんでもかんでもリモートでやるようになりました。要するにどこでいつ何をしていてもいいけど、結果だけは出してね、ということです。平日にオフィスを覗くと、行くところのない、というか、会社に行かないと落ち着かない50代以上の世代?だけしかいないという笑い話まであります。
最初は、会社に行かなくていいし、嫌な奴と面と向かわなくていいし、とても快適な気分になったと思います。一つの新しいライフスタイルの出現です。しかしながら、例えば、私たちのような広告代理店というのは、サービス産業ですので、やはりお客様と直に接して温もりのあるコミュニケーションソリューションを提供したいと思うし、エンドユーザーと直接の接点を持つことで、デジタルでは得られない発見もあるように思うのです。
理由を聞かれると答えに窮するのですが、なんとなく、リモートだけで業務が進んでいくと、温かみのない無機質な気持ち悪さを感じてしまうのは、私自身が歳を取った印なのでしょうか(笑)。
世界のITは日々進化していて、この広大な中国でも、いや中国だからこそ、これからますますその威力を発揮するのではないでしょうか。
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文責
碧优缇商务咨询(上海)有限公司
COO 清水誉
慶應義塾大学法学部法律学科卒業、関西学院大学大学院経済学研究科前期博士課程
修了、経済学修士。専門は、東アジア経済、中国労働経済。
1988年株式会社ブリヂストン入社、1993年広州事務所代表、1995年北京事務所代表、
1999年株式会社博報堂入社、2005年広東省広博報堂広告有限公司総経理などを歴任
し現職。中国ビジネス30年のスペシャリスト。
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