上海通信Shanghai Report
中国のアトレ~LaLaステーション
こんにちは、Beauty Works Shanghaiの清水です。
毎年、国慶節連休が終わりますと、秋が一歩深まりますが、今年もそんな感じです。いま、上海は一番いい季節、同時に上海蟹も旬を迎えます。年々短くなる秋を楽しみたいと思います。
さて、地下鉄1号線の南終点より2つほど手前に莲花路という駅があります。市中心からは30分ほどかかりまして、あまり外国人、特に日本人なんかがわざわざ来るような駅ではないですが、上海人的には、郊外のベッドタウンといった場所で、東京で言えば高度成長期の多摩ニュータウンみたいなエリアになります。周辺に大学なんかもあることと、一時期地下鉄1号線はこの駅が終点で、ここからさらにたくさんの路線バスが発着していたことなんかもあって、実はいまでも上海地下鉄の乗降客数上位の駅なのです。
そんな駅に、2年前、三井不動産と上海地铁のJVが、上海初の駅併設型ショッピングモールを作りました。日本で言えば、アトレですね。
オープン時も取材したのですが、その時は結構多くの人で賑わっていました。2年経ちまして、どうかなと見に行ってみたんですが、残念ながら若干滑り気味でした。テナントは空が目立ちますし、来客もまばらです。日系では、モンシュシュさんとか、ドンクさんとか、ガッテン寿司さん、それにniko and…さん、ローソンさんなんかも出店していますが、客足が少なくて、どこも苦しい感じです。
専門家じゃないから理由はわかんないのですが、やっぱり立地なのかな、とか、中国ではこういう駅型商業施設にまだまだ馴染みがないのかな、とか、思ったりします。実は、この駅前には古くから比較的大型の民族系ショッピングが3つもありまして、そちらのほうにもMujiとかユニクロかとかニトリが入っていまして、どっちかといえば、そっちのほうが引き続き賑わっている感じです。
上海市の人口は東京の2倍以上だし、購買力も遜色ないとはいえ、なかなかこういった日本の成功モデルをそのまま持ってくるというのは、難しいなと、改めて実感します。
冷静な実態分析、対策を講じて、中国でのチャレンジをぜひ成功に導いて欲しいと願っています。
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文責
碧优缇商务咨询(上海)有限公司
COO 清水誉
慶應義塾大学法学部法律学科卒業、関西学院大学大学院経済学研究科前期博士課程
修了、経済学修士。専門は、東アジア経済、中国労働経済。
1988年株式会社ブリヂストン入社、1993年広州事務所代表、1995年北京事務所代表、
1999年株式会社博報堂入社、2005年広東省広博報堂広告有限公司総経理などを歴任
し現職。中国ビジネス30年のスペシャリスト。
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