上海通信Shanghai Report

ゼロコロナ政策緩和の上海はいま

2022年12月27日

こんにちは、Beauty Works Shanghaiの清水です。

上海、最近、寒さは少々緩んでいる年の瀬です。

今月7日、中国政府はゼロコロナ政策の大幅な緩和を発表しました。あれから3週間、上海のいまを、緊急レポートします。

PCR検査の事実上の撤廃を受けて、当局による感染者の管理コントロールがなくなり、こんなに急に拡大するのか?と驚くほどの勢いで人口2400万人の街では感染者が急増しています。職場単位では、どこも半数ほどのスタッフが感染しているように見えますし、当社のクライアント日系企業様でも、日本人の8~9割が感染しました。当然症状には個人差があり、軽症で済むひともいれば、結構酷い目に合う方もおられます。余程のことがない限りは、自宅療養となり、平均的に一週間ほどで、回復に向かいます。

さて、あまりに、急激に感染者が増えたことと、それを見ていた感染していない人たちが警戒して外出自粛したことで、街には人が一気にいなくなりました。
どこかでピークアウトはするはずですが、今日現在まだ日増しに人がいなくなり、エッセンシャルワーカーというか社会を動かす人もどんどん減少している状況です。

スタッフが不足して、飲食店、コンビニ、ファーストフード、、、、シャッターを下ろすお店がどんどん増えます。それだけでなく、外卖つまり中国版ウーバーイーツは、運ぶ人がいないため、いつもは30分くらいで届く食料が1時間、2時間とかかるし、最終的に届くならまだましなほう。淘宝や京东つまり中国版Amazonも、注文しても届くどころか、発送すらされません。たぶん、倉庫にひとがいないのです。

公共交通機関も、人手不足で、間引き運転、陰性証明どころか荷物検査もしなくなりました。

スーパーマーケットのレジも、お客さんが少ないのに、レジ打ちスタッフの人手不足で長蛇の列になります。飲食店街はゴーストタウン化、レンタルサイクルも配置を調整する人たちがいないため、乗り捨てられた自転車がターミナル駅周辺の歩道を埋め尽くします。

当然、オフィスにも人がほとんどいなくなり、経済活動は一時的にマヒした状態ですし、この時期かき入れ時の飲食店さんは悲鳴をあげています。つまり、2020年武漢から感染拡大した初期のころに近い状況となっています。いや、まったくコントロールされていない感染者が急増しているという意味では、いまのほうがより事態は深刻かもしれません。

本来なら、忘年会やら、クリスマスやら、年越しやらと、なにかと騒がしく、忙しく、楽しく、にぎやかに盛り上がる師走ですが、なんとも寂しく、未来を見通せないという意味で不安を抱えたまま迎える年の瀬です。

そんな中でも、昨日、中国政府から入境隔離撤廃や国際線の便数制限撤廃など、さらなる緩和策が発表されたことが、唯一の光明かと感じます。

最後に、今回で、今年最後の私の文責投稿となります。今年7月に「上海通信」をスタートしてから半年あまり、飽きずにご愛読いただいた皆様に感謝しつつ、来年こそはいい年になりますよう、節に願うものです。
それでは、よいお年をお迎えください。

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文責
碧优缇商务咨询(上海)有限公司
COO 清水誉
慶應義塾大学法学部法律学科卒業、関西学院大学大学院経済学研究科前期博士課程
修了、経済学修士。専門は、東アジア経済、中国労働経済。
1988年株式会社ブリヂストン入社、1993年広州事務所代表、1995年北京事務所代表、
1999年株式会社博報堂入社、2005年広東省広博報堂広告有限公司総経理などを歴任
し現職。中国ビジネス30年のスペシャリスト。
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