上海通信Shanghai Report
【ビジネス編】中国最前線より_海賊王促销活动@北京
こんにちは、Beauty Works Shanghaiの清水です。
先日、いきなり気温が下がって冬になった上海ですが、ここ数日は、寒さが緩んでポカポカ陽気になっています。
さて、今回ご紹介しますのは、北京の长楹天街购物中心で11/3~5、合生汇で11/10~12に開催されましたワンピースカードゲーム販促イベントです。ワンピースは中国語で、”海賊王”と言います。
今回、当社は、イベントブースの、設計、施工、運営、一部販売を一気通貫で、お仕事をさせて頂きました。
日本のマスコミでも報道されている通り、いま、中国は、不動産不況を伴った経済停滞期にあります。先行きは非常に不透明です。コロナ禍が明けて、ビフォアコロナに戻ることを誰もが期待しましたが、コロナ禍での生活様式や価値観の変化によって、元の世界には戻ることはないようです。消費者は、未来への不安のため、本当に必要なものしか購入しなくなり、爆買いや衝動買いのような消費行動は起こりにくくなっています。その中で、日系ブランドの商品は、8月末の処理水問題の追い打ちもあり、マーケットで苦戦を強いられています。
この数十年、多少の困難に直面しつつも、経済面では、ずっと右肩上がりの発展が続いてきた中国。その間、余程のことがない限り、敗者はおらず、どの企業も、どの個人も、程度の差こそあれ、誰もがみんな勝ち組だったわけです。ところが、いま、中国経済は大きな踊り場にさしかかっています。誰もが勝者の時代は終わり、これからは勝ち組と負け組がはっきりと分かれるマーケットになるのではないかと予測しています。
そんな国内の経済情勢にあって、実は、あまり経済の波を受けていない領域があります。それは、アニメやゲームといったエンタメ(コンテンツ)の世界です。カードゲーム人気は、ここ中国でも絶大で、多少経済が沈もうが、オタクと呼ばれる方々というのは、好きなものには躊躇せずお金を消費するのです。
当然、もともと外国(特に日本)のサブカルチャーであるもあるこの領域は、社会主義国家中国では、厳しい規制の対象にはなっていますが、いまのところ”禁止”というところまではいっていません。80後以降の世代は日本のアニメを見て育った世代であり、アニメから強い影響を受けていて、もし仮にこの領域に今以上に強い規制が入るようなことがあれば、暴動になりかねないようにも思えます。
ということで、こんな厳しい経済情勢下であっても、IP系の展示会やイベント、アニメ、キャラクター、ゲームといったエンタメコンテンツ領域は、衰えを知らず、いまでもものすごい勢いで進化し続けているのです。
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文責
碧优缇商务咨询(上海)有限公司
COO 清水誉
慶應義塾大学法学部法律学科卒業、関西学院大学大学院経済学研究科前期博士課程
修了、経済学修士。専門は、東アジア経済、中国労働経済。
1988年株式会社ブリヂストン入社、1993年広州事務所代表、1995年北京事務所代表、
1999年株式会社博報堂入社、2005年広東省広博報堂広告有限公司総経理などを歴任
し現職。中国ビジネス30年のスペシャリスト。
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